Gastroenterology

胃腸科

代表的な胃腸の病気と症状

  • 逆流性食道炎

    逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで胸焼けなどの症状を引き起こす病気です。主な原因は、食道と胃の境界にある下部食道括約筋の機能が低下することです。通常、この括約筋は胃酸の逆流を防ぐ役割を果たしていますが、筋肉が緩むことで胃酸が食道へ逆流し、様々な症状が現れます。多くの場合、食道裂孔ヘルニアが併発していることもあります。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍

    胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、消化管上部の粘膜が損傷し、穴が開く状態を指します。胃潰瘍は胃の内側に、十二指腸潰瘍は小腸の上部に発生します。これらは総称して胃腸潰瘍とも呼ばれます。

    胃潰瘍の主な症状には、食後の胸やけ、痛み、食欲不振、嘔吐があります。一方、十二指腸潰瘍の症状には、食後のめまい、痛み、嘔吐、下痢、食欲不振が含まれますが、他の症状が現れることもあります。

  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染

    ピロリ菌は胃粘膜に生息する螺旋形の細菌で、4~8本の鞭毛を使って活発に動きます。通常、胃酸は細菌を殺菌しますが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素で胃酸を中和し、胃内でも生息可能です。

    ピロリ菌は人から人へ感染するため、家族に胃がんや十二指腸がん、胃・十二指腸潰瘍の方がいる場合、感染の可能性が高まります。感染していても除菌治療により、これらの疾患のリスクを低減し、次世代への感染予防や胃がん予防にもつながります。

  • 機能性ディスペプシア(FD)

    機能性ディスペプシア(FD)は、胃の痛みや胃もたれなどの不快な症状がありながら、原因となる病気や異常が見つからない場合に診断される病気です。胃の機能低下が原因とされ、以前は「慢性胃炎」と診断されていた症状もこれに含まれます。

    この病気は一般的で、健康診断を受けた人の11~17%、医療機関を訪れた人の44~53%で診断されることがあります。症状は個人差がありますが、強い場合は日常生活に支障をきたすこともあります。

  • 過敏性腸症候群(IBS)

    過敏性腸症候群(IBS)は、腸が過敏になり、腹痛や調子の悪さ、下痢・便秘が数か月以上続く病気です。大腸に炎症や腫瘍はないものの、ストレスや不安で症状が悪化し、排便後には軽くなることがあります。

    命に関わる病気ではありませんが、症状が長引くと日常生活に支障をきたし、胃食道逆流症などの合併症のリスクが高くなるため、適切な治療が必要です。

  • 潰瘍性大腸炎

    潰瘍性大腸炎は、大腸の内側の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患です。主な症状には、血便を伴う下痢や頻繁な腹痛があります。日本では、潰瘍性大腸炎の患者は約16.6万人(平成25年度の医療受給者証および登録者証交付件数)おり、人口10万人あたり約100人がこの病気にかかっています。

    発症は男性では20〜24歳、女性では25〜29歳が多いですが、あらゆる年齢層で見られます。性別による差はなく、喫煙者は非喫煙者に比べて発症しにくいとされています。

  • 胃がん

    早期の段階ではほとんど自覚症状がありません。そのため、早期発見には、胃内視鏡検査(胃カメラ)や上部消化管造影検査(バリウム検査)を受けることが重要です。

    がんが進行して腫瘍が大きくなると、みぞおちの痛みや違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振といった症状が現れます。さらに、胃がんによる出血が原因で貧血や黒色便が見つかることもあります。

  • 大腸がん

    大腸がんは、大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍です。発生部位により「直腸がん」と「結腸がん」に分類されます。大腸がんは50歳頃から増え始め、年齢とともに発症が増加するのが特徴です。

    日本でも患者数が急増しているがんの一つですが、早期発見と適切な治療により、完治の可能性が高くなります。

内視鏡検査について

胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査

当クリニックでは、健診および外来における内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を、経験豊富な医師が担当しています。

内視鏡検査は一般に「苦痛を伴う」とされがちですが、当クリニックでは皆様が安心して受けられるよう、内視鏡設備を年々充実させるなど、さまざまな工夫を行っています。

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