Hepatobiliary pancreas
肝臓、胆のう、膵臓(すい臓)
代表的な肝臓・胆のう・
膵臓の病気と症状
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ウイルス性肝炎
ウイルス性肝炎は、肝臓がウイルスに感染して炎症を起こす疾患です。主に4種類の肝炎ウイルス(A型、B型、C型、E型)があり、それぞれ異なる特徴があります。
A型とE型は主に食べ物を介して感染し、B型とC型は主に血液を介して感染します。特にB型とC型は慢性肝臓病を引き起こすことがあります。
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脂肪肝
脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が蓄積した状態です。中性脂肪は、摂取エネルギーが消費エネルギーを超えると体に蓄えられ、肝細胞の30%以上に蓄積されると脂肪肝と呼ばれます。
脂肪肝は、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)を伴うことが多く、動脈硬化や脂質異常、糖尿病のリスクが高まります。放置すると、肝炎や肝硬変に進行する可能性があります。
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胆のうポリープ
胆のうポリープは、胆のうの粘膜にできる突起物の総称で、通常自覚症状はありません。検診や腹部超音波検査で偶然見つかることが多いです。多くは良性で治療は不要ですが、まれに胆のうがんの可能性もあり、良性でもがん化することがあるため、定期的な精査が必要です。
大部分はコレステロールポリープで、約90%を占め、大きさは数mm程度で多発しやすいです。腺腫や過形成ポリープ、炎症性ポリープもありますが、胆のうがんに最も注意が必要です。
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膵炎
膵炎は、膵臓が炎症を起こしている状態で、膵液が十二指腸に届く前に膵臓自身を消化してしまい、炎症を引き起こします。この炎症は、周囲の組織に影響を及ぼし、膵臓の機能を低下させることがあります。
膵炎には、急激な炎症が起こる「急性膵炎」と、長期間にわたって繰り返し炎症が起こり膵臓の細胞が線維成分に置き換わる「慢性膵炎」があります。
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胆石・胆のう炎
胆石症は、胆嚢や胆管内に胆石が形成される病気です。胆石は主にコレステロールで構成され、ビリルビンなどが含まれることもあります。胆石の大きさや形、数によって症状が異なり、胆石が胆嚢や胆管を塞ぐと胆のう炎や胆管炎を引き起こすことがあります。
胆のう炎は、胆汁が胆嚢に滞留して炎症を起こす病気で、細菌の増殖によっても発生します。急性胆のう炎では、強い痛み、発熱、吐き気、嘔吐が見られ、慢性胆のう炎では腹部の不快感、疲労感、消化不良が現れることがあります。
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膵臓がん
膵臓がんは、膵臓にできる悪性腫瘍で、特に膵管上皮から発生する膵管癌を指します。膵管癌は膵臓の腫瘍性病変の80〜90%を占めています。全国統計では、肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんに次いで、膵臓がんは死因の第5位です。
日本では近年、膵臓がんの発症が増加しており、毎年3万人以上が亡くなっています。過去30年で死亡数は8倍以上に増え、特に60代の方に多く、男性にやや多い傾向があります。